■担当科目・科目概要の紹介（平成28年度）■

担当科目一覧
	氏名	所属	科目名
教　授	天野光一	日本大学理工学部	不動産特別講義
教授	岡田智秀	日本大学理工学部	都市景観特論
教　授	中村英夫	日本大学理工学部	不動産科学特別研究
教　授（主任）	根上彰生	日本大学理工学部	都市開発計画特論Ⅰ
教　授	藤井敬宏	日本大学理工学部	不動産特別講義
教　授	前野賀彦	日本大学理工学部	不動産科学特別研究
准教授	宇於﨑勝也	日本大学理工学部	都市計画史特論
特任教授	金島正治	日本大学理工学部	都市エネルギー特論
特任教授	横内憲久	日本大学理工学部	都市開発計画特論Ⅱ
教　授（兼担）	岸井隆幸	日本大学理工学部	地域開発計画論Ⅱ
教　授（兼担）	小早川　悟	日本大学理工学部	都市交通計画特論
教　授（兼担）	中川雅之	日本大学経済学部	不動産経済特論Ⅰ
非常勤講師	上原由起夫	成蹊大学大学院法務研究科	不動産法律特論Ⅰ 不動産法律特論Ⅱ
非常勤講師	植松　丘	政策研究大学院大学客員教授	不動産ファイナンス論
非常勤講師	薄井充裕	新むつ小川原㈱	税制金融特論
非常勤講師	小室　淳	日本ヴァリュアーズ㈱	不動産評価特論
非常勤講師	周藤利一	明海大学不動産学部	防災計画特論Ⅰ
非常勤講師	髙嶋修一	青山学院大学経済学部	不動産事業史
非常勤講師	中村八郎	NPO法人くらしの安全安心サポーター	防災計画特論Ⅱ
非常勤講師	中山善夫	㈱ザイマックス不動産総合研究所	不動産開発経営論
非常勤講師	信澤由之	東洋大学現代社会総合研究所	都市財政特論
非常勤講師	原野　啓	日本住宅総合センター	不動産経済特論Ⅱ
非常勤講師（元・教授）	早川　眞	早川建築環境研究所	環境システム解析特論Ⅰ
非常勤講師	氷鉋揚四郎	筑波大学生命環境系	都市・地域政策特論
非常勤講師	梅干野　晁	放送大学	環境システム解析特論Ⅱ
非常勤講師（元・教授）	三橋博巳	元・日本大学理工学部	不動産マネジメント特論
非常勤講師	矢野裕児	流通経済大学流通情報学部	地域開発計画論Ⅰ

科目概要
科目	内容
都市開発計画特論Ⅰ Urban Development Planning Ⅰ	都市開発には都市計画の施策や制度が深く関わっている。本講義では、都市開発における法・施策・制度にっいて、内外の事例・文献をもとに論述する。
都市開発計画特論Ⅱ Urban Development Planning Ⅱ	都市のウォーターフロント開発は、わが国ばかりでなく世界の主だった都市では盛んに行われている都市開発手法である。本講義では、都市のウォーターフロントおよびわが国の沿岸域を対象に、その意識や計画概念などを中心に論述する。
都市景観特論 Urban Landscape Planning	多様な都市・地域開発そして地方活性化方策のなかで景観まちづくりが注目されている。本講義では、水辺（ウォーターフロント）から都市部・田園地域に至るまで、幅広いエリアを対象として、具体的な景観まちづくり事例を取り上げ、景観まちづくりのあり方を考察するとともに、大都市・地方都市における景観計画の仕組みや評価法などを学修する。これらを通じて「景観に配慮したまちづくり」の実践的手法を習得する。
都市計画史特論 History of City Planning	江戸期以降の東京の都市計画および産業革命以降の近代都市計画のエポックを解説し、歴史的視点から今日の都市づくりや都市計画の基礎にっいて論述する。
地区環境計画特論 District Environment Planning	近年地区の環境に対する人々の関心が高まっているが、豊かな社会を迎えることができたにもかかわらず、住宅や環境の面に豊かさが反映しているとは申し難い現状にある。まちづくりや環境の形成は一朝一夕になるものではなく、歴史的に形成され、過去の生い立ちの歴史が刻まれているからにほかならない。環境の形成は開発と開発規制の歴史であり、より詳しくは当時の開発技術のレベルと資本の規模と性格、開発規制に対する国民的合意が奈辺にあったかの歴史でもある。さまざまな実例をもとに解析しこれらの指針を得たい。
都市・地域政策論 Theory of Urban and Regional Policy	わが国の都市・地域政策は、国土総合開発法（昭25）を基本に、時代の変化に対応しながら、全国総合開発計画（１次～５次）を指針としつつ、地方計画、大都市整備計画、工業地域開発計画、特定地域開発計画、過疎地域振興計画などを組み合わせて実施されてきた。開発の手段にも規制の緩和、特定財源の設置、補助金の導入などさまざまな工夫も行われてきた。本講義では、都市・地域政策の体系と発展を中心に解説し、諸外国の場合とも比較しつつ、国土の有効利用と経済社会の成長に果たす役割を明らかにする。
地域開発計画論Ⅰ Theory of Regional Development Planning Ⅰ	地域開発計画に関する基礎的事項から最新の事項までを取り上げ、地域開発計画に関する知識を研究・実務に応用しうる能力を養う。特に現状の仕組みや課題に焦点をあてて学修する。
地域開発計画論Ⅱ Theory of Regional Development Planning Ⅱ	地域開発計画に関する基礎的事項から最新のトピックまでを取り上げ、地域開発計画に関する知識を研究・実務に応用しうる能力を養う。特に具体例を通して計画手法について学修する。
都市財政論 Theory of Urban Finance	都市財政のしくみを把握した上で、都市の財政をめぐる諸問題と対策に関する理解を深めることを目標とする。取り上げるテーマとして、都市財政の構造上の問題、財政健全化方策のスキーム、地方分権と自主財源確保方策、地方独自財源（森林環境税や遊漁税など）地方公営企業の経営と財政問題、上下水道の経営と財政問題、都市公共財供給の理論などを予定している。
都市交通計画特論 Urban Transport Planning	不動産価値は、交通施設の整備度によって左右される。本特論においては、都市交通のメカニズムを明らかにし、経済計画、土地利用計画、および人流・物流の実態より予測される交通需要に対応した都市交通計画のたて方を論述する。
都市エネルギー特論 Urban Energy	都市インフラの円滑な運用を確保するには、都市におけるエネルギーの供給と処理をシステム化して考えることが必要である。電力・ガス・熱・上下水道のような供給施設とごみ焼却場などの処理施設の形成に関するわが国の歴史を通じて施設計画のあり方を考え、さらにエネルギーの質と量の現状の側面から都市環境と都市エネルギーのあり方を再考して将来の都市エネルギーシステムについて討論、論述する。
環境システム解析特論Ⅰ Analysis of Environment System Ⅰ	不動産価値評価項目の一部に環境配慮性能を取り入れる動きが世界的に活発化してきた。わが国においてもCASBEE不動産評価制度が2013年度より発足し、CASBEE不動産評価員の資格制度も始まった。まず、不動産鑑定士など長く不動産取引に携わってきた人々を主なターゲットとしているが、これからこの部門で活躍したいと願っている若者には評価制度の内容を是非学んでおいて欲しい。
環境システム解析特論Ⅱ Analysis of Environment System Ⅱ	世界的課題となっている地球環境保全への寄与を意識しながら、建築・都市・地域の環境を計画し、かつ環境経営としての不動産経営を実施するための基盤的思考について講述する。主な内容は、環境保全の基礎となる環境把握の手法として、リモートセンシング等の最新の手法を紹介するとともに、環境負荷の小さい快適な街づくりのための具体的な手法として、都市・建築・緑化をとりあげ、その環境調整効果について解説する。また、授業の後半では、話題となっている都市環境問題としてヒートアイランド現象をとりあげ、脱ヒートアイランド都市を目ざした街のあり方をテーマに、パネルディスカッションを行う。
防災計画特論Ⅰ Disaster Prevention Planning Ⅰ	各種の自然災害や、原子力事故のような人工物による災害も含め、日本は災害大国といえる状況にある。本講義では、このような災害に計画的に対応するための理論と方策を個人、企業、社会、まちの各レベルにっいて論じる。主な内容は、自助・共助・公助、応急対策・復旧・復興などの総論的内容に加え、住宅再建、企業防災、雇用対策、保険・共済、防災組織、復興まちづくり、復旧・復興のファイナンスなどを取り上げる。
防災計画特論Ⅱ Disaster Prevention Planning Ⅱ	個別不動産及びそれの集中する地域社会や都市を安全にしていく「防災計画」は、市民の生命並びに社会的資産を災害から保護するものである。それは災害との関係で不確実にしている不動産の価値を安定させ、一層高める。本講義では、特に社会的資産が集積する都市の防災問題に焦点をあて、震災・水害・火災等主な災害の発生機構災害危険及び防災対策の現状と課題、都市防災対策のあり方を論及する。さらに災害は地域特性に規定され、個別不動産の安全化だけでは限界があることから、都市計画やまちづくりと防災問題との関係性にっいて論述する。
不動産マネジメント特論 Real Estate Management	わが国の経済も高度成長から低成長期に入り、フローからストックの時代となり、長期的、良質なストックの形成を図り、適正に維持保全していくことは必要不可欠である。本講義では、耐用性をライフサイクルの観点から、不動産のストックや滅失実態、寿命や耐用年数、関連する固定資産税評価について概説し、不動産の維持管理、ライフサイクルマネジメント、保全計画、修繕計画、リノベーション、建替えなどの問題点や課題について論及し、今後の維持管理システムや保全計画、修繕計画のあり方の展望について論述する。
不動産法律特論Ⅰ Real Estate Law Ⅰ	不動産に関する法律を体系的に理解するために、±地所有権を制約しているそれぞれの法律を検討することにより、土地所有権がどのように変容しているかを明らかにする。不動産の証券化をその新たな発展形態としてとらえていきたい。公法・私法という古い分類では、不動産法の全貌をつかめないのが現状である。私見は、不動産法=金融法という立場であるので、新たな21世紀の土地所有権論を提示したいと考える。
不動産法律特論Ⅱ Real Estate Law Ⅱ	この講義は、不動産に関する民法を対象として判例・学説の検討をする。民法の特別法である借地借家法については、特に「借地借家の変容」というテーマでくわしく扱うことにしたい。いわゆる「マンション法」である建物の区分所有等に関する法律も取り上げる。水準としては、不動産鑑定士の試験科目である「民法」の論文試験に対応できる内容とする。なお、前期の「不動産法律特論1」を受講していない者でも受講することができる。
不動産評価特論 Real Estate Appraisal	不動産は私たちの生活や経済活動と密接に関連しており、不動産の価格はその不動産のあり方とさまざまな価格形成要因の相互作用によって決定されている。この講義では、不動産のあり方と社会との関連について考察し、不動産の価格形成のプロセスについて不動産鑑定理論を通じて学ぶことを主眼とする。同時に、鑑定評価の類型別ケーススタディを用いて、不動産鑑定の基礎について学修する。
不動産ファイナンス論 Real Estate Finance	市場ではお金を使って交換が行われている。お金は、生活必需品との交換のために使われるが、「お金を殖やすため」にも使われてる。これが「投資」である。「投資」というと株式と債券を連想する人が多いけれども、グローバルな投資の世界では不動産もこれらと並んで重要な役割を担っている。したがって、自らがこうした投資に参加しようとしまいと、不動産市場はグローバル金融による揺さぶりを受けることを甘受しなければならない。リーマンショック後の日本の不動産市場の急速な変化は、このことを端的に物語るものである。本講義では、「投資」という金儲けのゲームの世界で、不動産がどのように考えられ取り扱われているのかを学び、われわれは今後どのように考え不動産と付き合っていくべきかを考えてもらうことを狙いとする。多くの具体的事例を紹介しながら、金融について全く知識がない者でも金融の面白さを理解してもらえる講義を行う。
不動産経済特論Ⅰ Real Estate Economics Ⅰ	経済学という学問は、合理的な個人による最適化行動というツールを用いて、我々の代理人である公共部門がうまく働いているかを判断するきっかけを与えてくれる。しかし、実際の政策の企画立案プロセスは必ずしも経済学的な思考過程を経て立案されたものではない。これからの時代の都市経営部門に求められるのは、効率的な制度を設計しうる技術を備えた人材であろう。この講義のねらいは、効率的な制度設計を行うための、基礎的な公共経済学、都市経済学の知識を伝えることである。題材として都市政策などの、現実に用いられている政策を毎回とりあげて、経済学からの評価を行うというスタイルをとる。
不動産経済特論Ⅱ Real Estate Economics Ⅱ	本講義では、不動産の理解に必要な経済学を解説する。受講生が将来不動産を扱うときに役立っ経済学のツールと知識を提供する。具体的には、第一に、不動産市場のマクロ経済全体への影響を示す。第二に、不動産市場での需要、供給と価格の決定を説明する。第三に、産業組織論の立場から、不動産市場の構造と企業の戦略を示す。第四に、住宅政策について考察する。第五に、高齢化社会に適した住宅や有料老人ホームのあり方を考える。第六に、不動産投資の評価基準とリスク分散の説明をする。第七に、環境にやさしい魅力あるシティの整備方法と経済政策を紹介する。
税制金融特論 Tax System and Finance	REIT（不動産投資信託）やSPC（特別目的会社）などを使った証券化手法は、税制上の仕組み（二重課税の排除）こそが実はその本質である。また、プロジェクト・ファイナンス、アセット・ファイナンス、PFI、PPPなどの金融手法はいまや国、地方公共団体、不動産関係者の一般常識となっている。短期的なアベノミクスや地方創生など政策立案プロセスにおいても、中長期の都市計画や都市整備のあり方を考えるうえでも、税制・金融の影響は大きい。本講義では、以上の動向について概括し、大学院レベルは十分意識しつっも、初学者でも十分理解できるように平易、簡潔に講義してみたい。
不動産事業史 History of Real Estate Enterprise	近代日本における不動産事業の展開について論じる。本講義では、これまで注目されていた財閥系企業や電鉄系企業といった開発主体の行動に加え、不動産市場における賃借人や、土地整理組合における地権者たちの行動といった、最近の研究によって解明された事柄にも触れ、戦前から戦後にかけての展開を明らかにする。
不動産特別講義 Special Lecture on Real Estate	不動産業界の第一線で活躍している経営者や企画者、行政、公社・公団の関係者、不動産にかかわる各界の有識者や隣接学問の研究者等が講師となり、問題提起、将来展望などを論ずる。
不動産開発経営論 Theory of Real Estate Development Management	賃貸不動産投資を実践する上で「核」となる概念を、資金調達と経営の側面から、わかりやすくかみくだいて説明する。賃貸不動産のリスク要因と成長要因、開発事業のフィージビリティ・スタディ、賃貸市場分析、賃貸契約の意味、収支見積書（プロフォルマ）分析、DCF法（IRR分析とNPV分析）、資金調達、不動産サイクルなど、不動産投資の専門家として不可欠な基礎知識を学習し、自ら掘り下げて考えるための枠組みを得ることを目標とする。
不動産開発特別演習 Special Exercise on Real Estate Development	土地・建物等の開発・利用計画の考え方の修得を目標として、企画、立案、建設（施工）、経営、維持、管理などの一連の流れをとらえ、モデルを設定して有効利用、最適利用のあり方にっいて演習するとともに、各段階で必要となる専門分野の課題について演習を行う。
不動産科学特別研究【博士前期課程】 Graduate Research on Real Estate Science	各自が受講している不動産科学特別研究の担当教員の下で指導を受けて、独自のテーマに関する研究を行うとともに、担当教員および非常勤講師を交えた定期的な発表・検討会において成果を発表し、質疑応答の形でテーマについて学際的に掘り下げる。この成果を修士論文として取りまとめる。
不動産科学特別研究【博士後期課程】 Graduate Research on Real Estate Science	各自が受講している不動産科学特別研究の担当教員の下で指導を受けて、独自のテーマに関する研究を行うとともに、担当教員および非常勤講師を交えた定期的な発表・検討会において成果を発表し、質疑応答の形でテーマについて学際的に掘り下げる。この成果を博士論文として取りまとめる。

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