不動産事業史より捉えた新京阪鉄道沿線の分譲住宅地開発事業の研究

谷内田 武宣
指導:浅香勝輔教授
明治43年からの箕面有馬電気軌道(現・阪急電鉄)による沿線開発は、わが国初の電鉄資本の本格的な沿線開発と位置づけられている。したがって、阪神地域における沿線開発については、阪急電鉄を事例として、また小林一三と絡めてある程度の知見は明らかにされている。しかし阪急電鉄のなかでも阪急京都線に関しては、本稿で取り上げる新京阪鉄道からの歴史を引きずっており、異端の系譜を持っている。
そこで本稿では、大正11年から昭和5年に存在した新京阪鉄道の史的変遷とともに沿線住宅地開発の手法を整理し、その沿線開発が市街地形成と電鉄資本に及ぼす影響を検証し、現代においてどのような示唆を与えたのかを明らかにした。
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