開発利益の公共還元に関する基礎的研究
一その理念と現実的手法一

平峯 毅
指導:田中啓一教授
 公平、公共事業の財源確保、地価安定等を根拠とする開発利益(土地増価)公共還元問題の基礎は、土地の特殊性に基づく「土地所有権に対する公共の福祉の優先」の理念である。土地区画整理事業の手法を引続き活用する他、開発指導要綱の内容を適正化の上、法律又は条例に根拠を持つ開発負担金制度として明確化すべきである。これらを含めた域内開発や線的開発(道路)の個別還収策には限界があるので、周辺開発利益、一般的開発利益の還収は税制によるべきである。都市計画税の改組、充実により還収をはかるのが現実的である。不動産評価理論の精緻化と地価公示制度の充実、明確な都市計画の策定、地価の安定等が前提として必要である。
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