都市における境内空間の変遷と保全に関する研究

永井 浩貴
指導:横内憲久教授、岡田智秀准教授(兼担)、押田佳子助教
  わが国において寺社はかつてより信仰の対象であり、名所として人々に親しまれ、コミュニティの中心として存在してきた。しかしながら、近年の都市化の影響により檀家・氏子の数が減少し、それに伴い境内の維持管理が困難となっている現状がある。そこで、本研究では江戸名所図会や古地図を用いて江戸期から現在までの境内空間の変遷を明らかにし、かつての名所の7割以上が現存していることを捉えたが、消失・減少した事例にはその経営状況が関わっていたと考えられる。さらに、寺社が大きな費用を用意することなく維持管理を進められる手法である「容積率移転」と「定期借地」に着目し、その事業経緯や保全との関わり、課題などを明らかにした。
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