海岸の多様な利用形態に伴う海岸保全区域の新たなあり方に関する研究
−防護・環境・利用を考慮した海岸空間の整備・管理実態に着目して−

山下 泉
指導:横内憲久教授・岡田智秀専任講師
  わが国の「海岸保全区域」は、背後都市の海岸防護のために、固定範囲内において海岸構造物を設置することが前提となっている。しかし、その背後の居住人口の多寡や市街化状況、海象条件は地域ごとに異なっている。加えて、地方分権化や景気低迷の長期化に鑑みると、地域独自の海岸形成に資する海岸保全区域の新たなあり方を考案する必要がある。このような背景から、本研究では、海岸における土地的利用度の違いに基づき、「土地的利用抑制モデル」「土地的利用促進モデル」といった2つの海岸形成モデルを提案し、「中津港海岸(大分県)」「木野部海岸(青森県)」「運河ルネサンス構想」等をはじめとする海岸形成に関する事例分析により、その実現性をした結果、実現が可能であることを捉えた。
戻る