日本映画にみる海の風景の意味とその空間構成に関する研究 |
照沼 博康 |
指導:横内憲久教授・岡田智秀専任講師(兼担) |
本研究は、集団表象として大衆的な海の風景の見方が投影されている映画をテクストとし、そこに描写される海の風景の意味を登場人物の行動・心情から解読するとともに、その意味を喚起させる空間状況を考察した。その結果、海の風景は概ね日常風景あるいは個人の心情面を表現する風景として捉えられていた。また、人物の行動・心情と空間状況の関係から、@水平線が延びる茫洋とした海を眺められる海浜が、海を見ながら思いをめぐらせる行為を喚起させること、A囲繞された海域に突出して3方向を海に囲まれた場所が、周囲から隔絶した状況を強調すること、B海を介して陸域を繋ぐ橋梁が、海を越えた先に異世界の存在を想起させることを考察した。 |
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