江戸中期における銀座地区の地価構造に関する研究 |
加藤竜一 |
指導:小嶋勝衛教授・根上彰生教授・宇於崎勝也助教授 |
明治以前の封建制度的な土地保有形態にあった時代では、地価はそれほど意味を持ってはいなかった。しかし、江戸中期の社会構造の変化から土地(町地)の多くが売買され、市場において地価が重要な意味を持ちだす。土地の売買証文は当時「沽券」と呼ばれ、これを記した沽券図は、江戸中期に初めて作成され、都市行政の最も基本的な公文書として広く日常的に利用されるとともに、町屋の経済的価値を示すものであった。 現存する沽券図は限られるが、当時の町地や土地の実態を詳しく知る最も有力な史料である。本研究は江戸の財としての不動産の扱われ方に着目し、沽券図を用いた分析から往時の地価構造を明らかにすることを試みている。 |
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