東京都心における回帰中高齢層の居住実態に関する研究

小池裕之
指導:小嶋勝衛教授・根上彰生教授・宇於崎勝也助教授
  バブル崩壊による地価の下落や様々な方面から展開された都心居住施策が効果を発揮し、人口の都心回帰が起きている。都心3区においても、平成9年には転入者が転出者を上回り、以降着実に人口を増加させている。これら回帰人口の内訳は、都心3区限定では50歳以上の中高齢層の転入者が40%を超えている。
 これら団塊の世代が都心回帰の波に乗り中高齢期に都心居住を行うことで、都心居住が中高齢期の新たなライフスタイルの選択肢となり、今後、中高齢層の都心回帰と、それに伴う都心の高齢化が更に進行すると考えられる。このように東京都心には、回帰中高齢層をはじめとした、これまでの中高齢者観にはあてはまらない、多様かつ新たな中高齢層が現れている。
 そこで、これまで行われてきた住環境整備施策の整理・評価を行うと共に中高齢層の居住実態を明らかにする。さらに、今後迎えるであろう高齢社会に対応した住環境の整備施策に結びつけるべく、その分析を進め、そこにある問題点や課題を明らかにすることを目的とする。
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