沿道景観形成に資する風致地区制度の構築に関する研究
−東京都多摩地域における屋敷林と街路樹に着目して−

中川和之
指導:横内憲久教授・岡田智秀専任講師
  新田開発を契機に形成された、屋敷林に囲まれた沿道景観の維持・再生の方策を導くことを本研究の目的としている。路線式の風致地区指定地を対象として、樹木、境界構成要素、屋敷林を活用した街路樹整備について調査を行い、その考察から現制度の問題・課題を明らかにし、改善案を導く。現在の規制では敷地の細分化を要因とした樹木の減少に対応できないこと、樹木は塀に囲まれて存在することが問題としてあげられる。それらの改善案として、塀の後退規制の追加により、沿道部に連続して空地を形成し、沿道景観検討の機運を醸成させる制度とすること、また保存樹木等の景観への貢献が大きいものについて公有地化を担保する制度とすることを提案している。
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