運河の特性と空間構成に関する歴史的研究
−東京都江東区の運河を事例として−

猪俣弘樹
指導:横内憲久教授
  近年の運河は、画一的な空間整備によって、その利用パターンが形骸化するなどの批判がある。こうした状況を踏まえ、本研究では東京都江東区の運河を対象とし、江戸時代から現在にいたる「行政の運河計画」と「運河と市民とのかかわり」から、「運河の特性」とその特性を成り立たせる「空間構成」を明らかにすることを目的に、文献調査・ヒアリング調査を行った。その結果これまでの運河整備は、周辺の空間状況(地域性)によらず「緑化」と「遊歩道」に限定した水域内のみの施策であることを指摘した。そして、今後整備を行う際のデザインボキャブラリーとして、9つの「運河の特性」と、7種の「空間構成」(「運河の格」)を明らかにした。
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