総合還元利回りが不動産市場価値に与える影響
−−格付け機関における分析基準を通して−

松岡正人
指導:小嶋勝衞教授・根上彰生助教授・宇於ア勝也専任講師
  わが国において不動産投資商品が不動産会社や金融機関などにより開発されているなか、格付け機関と不動産の市場価値に実質的に変化を及ぼす収益性を重視した投資分析手法に焦点をあて、その商品に対する格付け手法およびキャップレートの分析基準を明らかにするとともに、総合還元利回りが不動産の市場価値に与える影響を検証することを目的とした。そこで、分析基準から地区別のモデルオフィスビルを想定、収益価格を試算し、公示地価との乖離率により分析を試みた。これにより今後、期待収益率および収益の期待上昇率が安定すると仮定した場合においては、総合還元利回りは不動産の市場価値を適正価格として収斂させていくはずであるとの結論を得た。
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