転換期における上海市住宅市場実態と問題点に関する研究

李 幸耀
指導:小嶋勝衞教授・根上彰生助教授・宇於ア勝也専任講師
  1997年末時点で上海市区には3.6万の住宅困窮世帯があり、約10万人が依然として住宅問題に苦しんでいる。一方で、住宅市場においては売れ残り商品化住宅が1000万u以上に達している。1991年から始められた住宅の市場化を目指す上海住宅制度改革の進展のなかで、このような矛盾と新たな問題が発生するようになった。本研究はこのような背景をふまえ、上海市区を対象として、上海の住民世帯における住宅に関わる消費構造や住宅取得能力を把握した上で、住宅供給、住宅開発原価、住宅金融整備など多岐にわたり上海市住宅市場の実態を分析することにより、上海市住宅市場の形成や発展に障害となる問題点を明らかにした。また、これらの解決に結びつく、企業所有住宅を中心とした住宅市場に関する賃貸化提案を行った。
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