「不動産」に関連する既存の学問は、法学、経済学、商学、建築学、土木工学、都市計画など極めて多岐にわたりますが、専門分化した単独の学問分野では、不動産を巡る諸問題を十分に理解することは困難であり、問題間の関連や全体像を学際・総合的見地からとらえて解明する学問体系と教育・研究体制の確立が1985年頃から各界において要請されていた。
1992年に大学院理工学研究科に設置された不動産科学専攻は、このような学際的・総合的学問探求の場の創設を求めて、研究・教育の成果を上げることを目標としている。 したがって、本専攻は教員組織においても理工系教員と社会系教員の参加を図り研究・教育の場とすることで、不動産に関する高度の専門的知識と総合的視野を有する研究者、実務家、すなわち「工学・法律・経済にも明るい企画・経営・維持・管理に及ぶ総合力をもった人材」の育成を目指している。 また、建築学科・土木工学科・交通土木工学科・海洋建築工学科の卒業者をはじめ、文系学部出身者や社会人大学院生も積極的な受け入れを行っている。 本専攻の研究対象は、個別の不動産の適性利用・都市開発の企画・経営・税制・維持・管理から、街づくり、都市づくり、国土づくりに至るまで広範なものがとりあげられている。 |