一地区計画制度における可能性を中心として一
李民和
指導:小嶋勝衞教授・根上彰生専任講師
本研究は、アメリカにおいて、歴史的建造物の保全及び農地等のオープンスペースの確保を目的として創設されたTDR制度について、日本における活用可能性を探るために、特に地区レベルの整備に着目し、現行の地区計画制度における可能性を中心として研究を行った。この制度の基本メカニズムは、保全を図るべき開発権の送り地から高密度開発を図るべき開発権の受け地への開発権の移転である。地区計画制度における活用可能性を検討するにあたって、送り地・受け地それぞれの適用可能性を分析した。その結果、容積適正配分型地区計画、再開発地区計画、住宅地高度利用地区計画において、活用可能性があることが明らかになり、望ましい案として「容積適正配分型再開発地区計画」を提示した。